スクランブルエッグ

私による私の為の生存記録

渡せなかったラブレター

先輩が退職した。
優しくて仕事が出来て頼りになる人だった。当然、同僚や後輩にも好かれている。
頼みを断らないタイプの人間だった。当然上司にも好かれていて、それ故仕事を過集中されられて辞めた。人手不足の職場の典型的例である。
だからそんな素敵で穏やかな先輩が、初めて愚痴を零したときは非常に驚いた。そこで評価が変わることはなかったが、ただただ吃驚した。

 

先輩が退職の意を伝えてから、上長からの態度が辛辣になったと聞いた。
普段従順な女が自分の想定の外から反抗してきたことに、上長の弱くて愚かな心は耐えられなかったのだと思う。なんとも惨めでちっぽけな人だ。
哀れな上長の話はさておき。

 

私は先輩からずっと嫌われているのだと思っていた。
私は先輩と違って仕事が出来ないし、よくリカバリーをしてもらっている役立たずだからだ。忙しい時に些細なことで確認をしてしまい、口には決して出さなかったが苛々させてしまっていることを明確に感じることもあった。

先輩はいつも楽しそう(※私の近くにいる人間は皆ほどほどに楽しそう)にしていて、冗談を言って私を可愛がってくれてはいたが、それは出来損ないの後輩を面白味がある『アホの子』として扱っているだけだと思っていた。
先輩達の言う、蓮根ちゃんが休みだと困るという文句は、部署内に言語面で対応できるメンバーが限られるからだとしか思わなかった。
ここで卑屈と勘違いされるのが嫌なので書いておくが、今の職場で〇〇さんと比べて貴方は~と言われたことが複数回ある。つまり私は本当に仕事が並以下なのだ。

 

そんな素敵な先輩は辞めるときに、皆に甘味とメッセージを書いており、隣に座っていた時間が長かった私の分も当然あった。尚、上司の分はない。
メッセージには「頼りになる」「大好き」という言葉があった。(♡マークが書いてあって凄く可愛かった)
信じられなかった。
休日に先輩と会ったのは1回きりだったし、業務外では連絡も取らない。
嘘ではないという事実を理解しながらも、喜び受け止めることが出来なかった。
私は人間からの愛情や絆が全く信じられない身体になってしまったのだ。
(以前別の同僚から聞いた、先輩が私と一番仲が良いと言っていた(先輩がそう思っている)話も当時は現実感が無かったのだが、このメッセージで真実なのではないかと感じ始めた)

 

先輩と最後に交わした言葉や抱擁は全てが本音で、寂しそうな表情も皮膚の温かさも確かに在ったのに、
それらは私の身体をすり抜けて行って心の端に欠片がひっかかているだけなのだ。

私には、貴女が抱いた想いも楽しかった想いも理解できない(抑々、傲慢に他人を理解したいと思わない)けれど、私も確かに先輩が人として好きでした。
恋人ができた貴女は出逢った頃より、格段に美しく可愛い女性になったと思います。
私を特別に気に入ってくれて有難うございます。貴女の人生に多くの幸があらんことを願います。
それではさようなら。

 

新しい風

Mリーグ2022-2023お疲れさまでした。
今年は雷電と『本田朋広』選手の変革の話をする。

 

 

・本田朋広選手は真の『Mリーガー』

何よりルックス。次に性格。更に雀力。
彼は雀力を見染められて選ばれた選手なので、監督的にもキャラクター性は二の次だったと思っているのだが今期化けに化けた。
(元々風林火山のオーディションで彼の実力は我々に証明されていた)
眉目秀麗で麻雀の成績があって、愛嬌と気さくな性格で天然ボケをかましてくる。
蓋を開けてみれば彼はMリーガーとして、つまり『麻雀を民衆に広めていく為のコンテンツ』として天才的な素質を持っていた。
かくいう私も、彼に財布の紐を奪われ初めて麻雀サブスク(アベマプレミアム以外)に課金をした。雷電のPVも買った。来期はガイドブックにも手を出そうと考えている。
本田選手は、普段は甘いマスクと天然な挙動で周りを虜にし、麻雀中は超絶クールで格好いい。このギャップ。
雷電は図らずとんでもない男を手に入れたのだ。

 

・『TEAM雷電

雷電はずっと1+2人だったように思う。チームじゃなくて個人の力を足し算した関係。瀬戸熊さんと黒沢さんは掛け合いでは良いコンビだったけれど、試合になると支え合う個人に分かれてしまっていたように見えた。
戦術面で柔軟性が足りておらず、面前型且つ個性的な選手を集めてしまったので軽い仕掛けをすると目立ってしまう。
そこに麻雀スタイルの異なる本田選手が加わったことで、非常に戦いやすくなった。黒沢さんは最も爆発力があるが波がある。彼女の力を最大に生かすためには起爆するまでの時間を稼ぐ必要があり、今期の雷電はそれが出来ていた。
結果として、黒沢さんと本田選手が自由に打ち、それを精神的にもポイント的にも支えつつここ一番で守ってくれる瀬戸熊さんというチーム戦術が生まれた。
瀬戸熊さんは責任感が強くて周りのことを深く考えているタイプなので、どうしてもチーム状況を優先してしまう(無意識に自分の麻雀を打てない)ところがあるように見えた。恐らくそれが今の彼の戦績につながっている。
瀬戸熊さんがMリーガーとして自身と麻雀に折り合いをつけられたなら、良い意味で怖い選手になると思う。
もしこの先そういう風に変わっていったなら、それは間違いなく本田選手の影響のはず。守るべきものが1つ増えたんだよね。

メディア面の話をすると
今期の本田選手が成績を出し、素直に話せるようになって、それを見た瀬戸熊さんが彼を『売っていく』方向に舵を大きく切って(これは当初、瀬戸熊さんが黒沢さんにしたことと一緒)、彼はともくんに成った。
4人でいる時に、ムードメーカーでみんなを笑顔にしてくれる末っ子(?)の本田選手を兄貴分2人が躾し、隣で楽しそうに大笑いする黒沢さん、という家族のような構図が定着し凄く親しみやすくなった。
いずれにせよ本田選手が加わって、お互いがお互いを信じ高め合い、彼らは漸くTEAM RAIDEN/雷電に成れたのだ。


・本田選手の麻雀

まず所作が綺麗ですよね。強打しない。雷電は入り込むとバンバン言わせる選手が多いので、動作が対局中の冷静さを際立てていて最高に素敵。(個人的には極稀にツモにぐいぐい力が入っているのも好き)
牌の上下も比較的揃えるタイプで、Mリーグでは牌をカメラに見せることを特に意識していて(他の放送対局と微妙に動きが違う)視聴者のことを考えているのが見て取れる。
対局中、瀬戸熊さんは熱くて黒沢さんは怖いので、バランスを取るかのような本田選手のクールな表情は非常に魅力的。

 

雷電の麻雀は面白い。
和了が面白いのが瀬戸熊さん、手筋が面白いのが黒沢さん、そして山と引きが面白いのが本田選手。解説の人達もよく笑いが堪えきれなくなってますよね。
他家すら操作する悪魔的な鳴きと、ゾーンに入ったときの恐ろしいまでの爆発的なツモで人を魅了する。
手筋と読みで視聴者を唸らせる麻雀プロは数いれど、牌山で楽しませてくれるMリーガーは彼しかいないと思う。本田選手がツモる度にワクワクしてしまう。
あと巧妙な印象操作で、鳴き麻雀打ってると思われがちですが、バランス寄りの面前型な気がする。

 

本田選手は感覚的な打ち手で、彼自身も(一見)異常な麻雀を打っている自覚がありそうなので、だからこそ感覚と自信を大切にする打ち手が集まる雷電に選ばれて本当に良かったと思う。
蛇足ですが、持ち味が周りに浸透するのに時間がかかるのは黒沢さんに似ている。そして自身のペースに持ち込んで勝利を掴むという根幹は瀬戸熊さんと似ている。
本田選手に実力があるのは勿論だが、それ以上に伸びしろがあるように感じる。
巡り合ったトッププロから指導を受けて来期どれだけ強くなって帰ってくるのか楽しみでなりません。

 

 

・印象に残っている対局

①10/18第1試合
今期初めてトップを取った試合。
東場の親で一発ツモの6000オールを決めるんですが、あの時本当に嬉しそうな表情していたのが印象的。
それを皮切りに、有効牌が押し寄せてくる。麻雀の神様は彼の意思に応えてくれたんだと思うと感涙に咽ぶ。
特に、南場でシャンポンリーチをかけて結果的に喰い流されてしまったけれど、和了牌が一発ツモに””居た””こと。初めて自身の麻雀を解放したMリーグの試合でトップを取ってしまったこと。何度視ても「この人、本物だな」ってなる。
解説の優さんも驚きの声を禁じえなかったのを覚えている。
個人的にはこの日の解説が、本田選手の本来のスタイルを知っている優さんだったのも僥倖で、松嶋さんが追えていない部分を補ってくれていた。
解説中に松嶋さんが良い意味で「とんでもないことになりそうですね!」みたいな発言をするんですが、この後本当にとんでもないことになった記念すべき試合なので、是非見返してほしい。

②12/6 第1試合
テンパイ形を伏せてトップを取ったスーパープレイで盛り上がり、今でも皆忘れられない試合。このトップで彼の評価はかなり変わったのではないかと思う。
伏せる選択を貫いたのは何より見事ではあったが、ではなぜ本田選手があの局面で伏せられたのかを考えた時、皮肉にも今迄が在ったからではないかと思いました。
それまでの私達は『雷電の選手』に対し面前高打点型というレッテルを貼っていた。
昨シーズンは成績が芳しくなかったため批判され、今シーズンは勝っているのに批判されて彼の心は慣れてしまったんだと思う。でもそれは悪いことばかりではなくて。
元々麻雀に関しては自分を信じる力が強いタイプだけれど、だからこそあの選択を迷わなかったんだと思っている。
何よりこのプレイを多井さんの前でやったことが僥倖ですし、「ともくん」って呼び名がファンに一気に広まったのも多井さんの解説のおかげ。

③5/12第2試合
親倍満をツモってトップになったファイナルシーズンの試合。
伊達さんが44000点で本田選手は30000点弱で、伊達さんの親は無いとはいえ6000オールだとちょっとリードが心許ないなという局面での8000オールを見て本当に凄いなぁと。麻雀で必要な時に運を出力できるってもう才能じゃないか。
別日の試合の話にはなるのですが、ファンからきたスパチャに対して萩原さんが
「いやアイツはもう喝入ってます。麻雀の前だけは……」
というような返しをするのを見て、『本田選手の麻雀に対する信頼』を感じました。


④5/18第2試合
これは瀬戸熊選手が出場した試合。見せ牌に対する私の考えの話をどうしても文章にしたためたいので書くことにした。
第一に、私は瀬戸熊選手のポリシーには大賛成でフェアプレー精神を貫く瀬戸熊選手が一層好きになった。そもそも視聴者に文句を言われることが分かった上でのプレーだ。
問題はその後の雷電公式振り返り動画で、監督がチームでも揉めて最終的に以後は上がる決断をしたことを告げたこと。
私達は内部で何があったのかを知りえない。
ですが、正直この判断は目先の視聴者のことしか考えてないと思ってしまったし今でも許していない。
元々Mリーグは、麻雀をMリーガーという名の麻雀プロの鑑を通じてスポーツという新しい形で世間に普及させていくことを目的としていること。更にTEAM RAIDEN/雷電の公式説明文に「強さと礼儀を兼ね備え~」という文面があること。
何より、真の麻雀プロとして必要なのは雀力だけではなく麻雀観や麻雀に対する真摯な姿勢・誇りであること。
あの判断は、そういう、根幹にして一番重要な部分をを剝ぎ取ってしまったように思えてならない。
どうして一番大切な部分で選手を守ってくれないのか。非常に残念としか言いようがない。

 

 

・閉会式の話
本田選手の代表インタビューで大成功してしまったのを見て、この人これから大変だろうし来シーズンが勝負だろうなぁと強く思った。
アベマズの多井さんが松本さんに最終日を経験させたように、萩原さんも本田選手に代表挨拶を経験させたかったんだろうなぁと。トークが苦手な本田選手が、萩原さんという理想の先生がいる雷電に選ばれたことは本当に僥倖でしたし、この勉強会は萩原さんにしか出来ない。
本田選手が、観客の騒めきを乗り越えて舞台の空気を全部持っていってしまう様子は、傍から見ると危険な選択が、他家にあらゆる影響を及ぼして最終的に自身にとって良い結果となって返ってくる今期の麻雀を象徴しているように見えた。やっぱり『麻雀』って素晴らしい。
これから先本田選手がどういう風にメディア露出するとしても、麻雀だけは嘘をつかず自分らしく打ち続けてほしい。切に願う。

 

 

TEAM RAIDEN/雷電の本田朋広選手は、本当にチームに新しい風を吹かせてくれた。
雷雲を造る為には風が必要。彼の麻雀は、雷が生まれ落ちる過程を見ているようで本当に面白い。
太陽を光を浴びた風は舞い上がり、空の中で揉まれ擦れて一際大きな雲となる。
そしてより一層逞しくなって、また雷鳴のカルテットを響かせてくれるのだろう。

女神の福音

総統閣下お誕生日おめでとうございました。

皆見た!!??あれ公式だよ!!!!

 

……こほん。お久しぶりです。レナです。
今ブログでは阪口健吾生誕祭2023の話をしようと思います。
吸血生存が私に与えてくれたものは、本当に本当に大切で私を救ってくれるもの。
本当はこのような不特定多数に閲覧可能な形で書くのは控えたかったのですが
あの文章を作ってくれた公式に対して受け取った私の心が全く伝わらないのは、とても悲しいことです。
能力があり理を知っているくせにその選択肢を取るのは傲慢すぎるなと思ってしまったので覚悟を決めてブログにしました。

 

冒頭から暗い話をしてしまったので、ここからは感想という名のツッコミ&大喜利大会を開催いたします!!

 

・総主は公式
いや、あの、まずさ……どう考えても別れた後の話でヤバいんだけど、どうすればいいですか?
タクミオルタエンドとか在りましたけど、私の妄想(考察)が現実になってしまったじゃないですか。
ハッピー心中エンドへの道を順調に歩んでいて安心しました、いやマジで。

 

・差出人のないハガキ
ヤバいでしょ。要するに宛名はあるのがヤバい。
貴方の居場所を知っている、何をしてるかも知っている、でも私が誰かは書かないという具合。
ていうか主人公どんだけ総統の事、嫌いなんだよ……(大好きありがとう)

 

・意地悪
総統くんって「はは」とか言うんですね!?まあ笑うしかない展開でしたけどね。
前回の評価(ラインの話)(出た)(一生忘れない)(俊足)(コーナーで差をつけろ)
が困った人なので間違いなく彼の中で彼女の評価が変わってるんですよねぇ。
何が良いかって、総統って基本的に本当のことを言ってくれないじゃないですか。
でもあれは目の前に謝辞を言うべき相手がおらず、誰も見てないので全部本音なんですよね。つまり本当は好きな女に対して意地が悪いって思ってるんだよな。
あと最後まで「ありがとう」って言わなかったのが最高。普段なら機械的に出ますからね。
(だってありがたくないもんね、手放せなくなるから)

 

・彼女視点
送るまでにドラマあるでしょうこれ。
ハガキを投函したとは思えない(リスクが高すぎるし)ですし、落ち着いてハガキを買って書けるという時点で、彼女は第3区域に住んでると思ってるんですがどうでしょうか。
祝うと決めるまでに葛藤がありそうですが、いざとなって書くことがない!ってなってそうですよね。嫌すぎて試行錯誤した結果ハガキを何枚か無駄にしてればいいと思います。
でも多分、あのお誕生日おめでとうは丁寧な字で書かれているんだろうな。(ただし宛名の方は殴り書いてるかもしれない)

 

・彼視点
お前はさーー、まずなんで仕事してる体なんだよ、誕生日をどうでもいいと思いすぎでしょ。
『今まで祝ってもらった中で』は流石にここ数年の話だと思うんですが、彼に祝ってもらえるような関係性の友人がいるとは思えない(超失礼)ので、外交とか立場上沢山の贈り物をもらっているって妄想しているんですけど、貰ったじゃなくて祝って~なのでパーティーなどが開催されている可能性……。

 

・「いつか」
今年のお返しはないというか、相手の誕生日は祝わないの最高に主人公を分かっている男の発言。
彼女はそれを求めていないし、自分が祝ったら困るだろうことも知っている。

いや前後の妄想楽しすぎかな!?

正直言って、本編時空にしてやり過ごす方が遥かに簡単で……そうなるであったところを
本編後にして……要するにストレートには出来ない設定にして態々彼を祝ってくれたところに本当に感服しました。

読む度に、主人公の健吾に会いたくない感情が伝わってくる(面白ポイント)し、あれが今のふたりの限界で、それを書いてくれたのが何よりも嬉しいです。

 

と、お誕生日に関する話はここまでです。
このふたり()のやり取りを通じて、女神が社会的弱者であるということを思い出しました。間違いなく恵まれない立場にいる人間のひとり。
最近仕事がうまくいっておらず毎日憂鬱だったんですが、檻の中にいあると理解しても尚最善を選び幸せを求める女神を見習って
私も、自身を憐れみ悲しむのではなく受け入れて前を向き、この女神のように気高く生きていきたいと思いました。
それが私にとって一番嬉しくて苦しかったことです。
鏡を見ないくせに強くて狡い女性。私とこの女神を再会させてくれて有難う。

雀豪昇格記念

こんにちは。
この度、無事雀豪に昇格しましたレナちゃんです!!!!!(テンションMAX めっちゃメラメラだよ!)

そういう訳で、今日は珍しく趣味の「麻雀」の話をしようと思います。

抑々、私が麻雀を趣味だと言い始めるまで(また)紆余曲折があった。
子供の頃に親戚に麻雀を教えてもらって、好きになって11歳の頃本を読んで役を覚えたり、麻雀漫画「咲-saki-」にハマるなどの経緯を経て今に至る。
私は元々、熱しやすく急冷されるタイプなので数ヵ月ハマって辞めてというのを2,3回やっていたことを含めても、雀歴は累計で1年半有るか無いかくらい。
離れた原因としては、単純に逆連対が続いたから。「勝てない!もうヤダ!」って具合。

さて。このような事を繰り返しても、懲りずに麻雀に帰ってくるのはどうしてなんだ考えたときに「蓮根レナは麻雀が好き」以外の結論に辿り着かなかった。
(因みに私が麻雀で一番好きなのは、麻雀牌が全自動卓で掻き混ぜられる音です)
切っ掛けは去年の晩秋に点数計算を覚えたい!と思い、雀荘デビューしたのが始まりだった。

雀荘に行くと当然生身の人間と面と向かって麻雀を打つことになる。もう少しまともに麻雀が打てるようになる意味も兼ねて、麻雀教室に通い、私は初めて「麻雀観」に触れることになった。丁度その時Mリーグに出会いプロの考え方を知ったことも大きい。 
プロは非常に深く、哲学的または騎士的に『麻雀』を考えており、ここで初めてプロ雀士に尊敬のまなざしを持った。
麻雀は特殊なゲームであり、強い=勝ちではない。確率や運が関与するゲームなのでどんなに強い人でも全勝は有り得ない。それでも皆が夢中になるのは麻雀が好きだからに他ならない。
他人を見て自分を鑑みて、私は人生で初めて「好き」を知覚した。それまで何をしてても、何処か漠然と自身の好みを捉えていたので、腑に落ちた時酷く感動した。
そして新世界に辿り着き、私の思想が良い意味で変わった。

これだけでも僥倖ではあるが、次にどうして麻雀が好きなのかということを考えたときに麻雀は唯一『私が自由に生きることを許してくれる』ものだと気が付いた。
セオリーを無視した戦術、ワザと負けること、一方的・圧倒的に勝つこと、ゲームを搔きまわすこと、そして(のちの利益を考えて)敵を助けること。
そのすべてが許される。しかも、それが相手には気付かれない(相手からは自分の手牌が見えないため)から、””怒られない””。

子供の頃から、自由にやると叱られてばかりだった私にとって、これは画期的な現象だった。
とはいえ麻雀は親戚から習ったので、実は打ち方にケチを付けられていた。
「こういう和了は良くない」「こういう風に打つべき」
という注意を受けていて、それが今のスタイルに影響していたりする。(尤もこれがあったので、今のスタイル(超気に入っている)があるので珍しく恨みはない)
そういう訳で、勿論麻雀にも普段通り、結局素の私は許されない価値観があったのですが、前述の通り、リアル麻雀で余りにも多くの価値観と、そしてそれが許される世界を知り、私の変な打ち方(地味に自分でもそう思っていた。変だけどコレがいいなってプレイしてた)を
「普通の人が視られない可能性を直感で察知して、感覚的にやってる。鍛えたらすごく強くなりそう」
とプロの方に言われて凄く驚いたし、本当にそうだったことを後に知った。有識者って凄い。井の中のレナ大海を知らず。

あと麻雀って、4人でやるのに会話をしなくていい。自分の事を知られるのが、相当嫌な私にとって何も話さなくても友達が出来て評価されるのが、とても居心地が良い。
(勿論、麻雀仲間は良い人たちなので普通にお話することもあるよ)
私にとって麻雀は趣味だし、心の安寧である。疲れている時にやると、打牌精度や読みが荒くなり負けるが長時間打つのも凄く楽しい!
私は、私が『私』をやれる四角い宇宙に、出会えてよかったと心底思う。

 

麻雀打てるフォロワーさん、いらっしゃったら是非とも雀荘オフ会をしてください。(手加減というか敵のアシストは得意です)
本当はデータ面から見た自分の麻雀や、強くなるための目標や戦術、ビタ止めから他家操作ダブル役満テンパイといった自慢話を書きたかった(書いてんじゃん)のですが、気が付いたら真に迫る記事を書いていました。
いずれキャスをするなら、麻雀動画かなと思っているので期待せずにお待ちください。

RE:VICE[D]に悪しき一票を――!

お久しぶりです。蓮根レナです。
暫くブログを更新しない間に、精神的に色々ありましたね……(遠い目)
負の感情の活火山なので叩けばいくらでも話せてしまいますが、今日は人生初の、推し作品紹介・販売促進ブログを書いていきたいと思います。

では早速タイトルから紹介します。

www.otomate.jp

 

RE:VICE[D](以下リヴァD)です。最近再熱してTwitterで騒いでたやつです。
私はこの作品、発表当初から気になっていたのですが何故か売り上げか芳しくないので泣いています。よく絵柄が人を選ぶと言われていますが私は好きなので……。

 

さて、とっても面白い(当社比)このゲームをまずはストーリーからご覧いただきましょう!

ーストーリーー
Dear my Lord, I definitely find you.
~親愛なる魔王。あなたと巡り逢うその日まで~

あなたが見出したその相手は、魔王? それとも――?

次期魔王を探すため人間界へやってきた主人公は、
魔王の素質を備えた四人の人物と出会う。

誰が真の魔王かを決める【魔王選定】を通じて、
魔王候補たちとの距離を縮めていく主人公。

住所不定、年中反抗期、最下位ホスト、引きこもりと
個性豊かな候補たちに囲まれて過ごす中、
あなたが見出した魔王とは……?       (Amazonより引用)


公式サイトから引用しなかった理由は察してください。
ストーリーを私風に分かり易く言うと、


主人公アイカは魔界の最高幹部である四天王の1人。
ある日、宿敵『輝士』との死闘に出向いたきり帰ってこなくなった魔王様に変わる新しい魔王を誕生させるため、他の四天王(アカツキ・スイウ・シンク)と共に、『選定の書』の導きで人間界にやってくる。
そして、彼らはそれぞれ『魔王の資質を持った人間』としてユキネ・イロハ・リョウガ・ヒナツを見つけ出す。
果たして、魔王は一体誰なのか……。
主人公アイカと四天王は『選定の書』に従い、真の魔王を決めるために選定の儀を行うことになる。
魔王選定を通じて彼と絆は深まり、物語は動き出す――。

 

※キャラ以外に四天王エンドもあります(重要)
内容を何となくお分かりいただけたところで、魅力などを好き放題書き散らかしていこうと思います。
なおルートに入ると誰も彼もシリアス展開多めなので重い話が好きな人もどうぞ。


 

・リヴァDの魅力① ゲームタイトル
タイトルが神。
まずこれよ。リヴァDと言ったらタイトルの素晴らしさよ。一体誰が考え付いたんでしょうか!?
viceが悪(魔王)で、reで再びで『D』でしょ。いや、悪を悪を……恋愛でやっている。viceがreしてDなんですよね(落ち着け)。
Dというのは、メインキャラクターが持っているテーマ(単語)の頭文字です。全員の恋愛テーマがDから始まります。
誰とは言いませんが、なんと恋愛エンドのタイトルが……!なんという事もあります。名前って大事ですね。
ゲームの作品全体を冠するものなのは、万作共通ですがその中でもよくこのタイトルが出てきたなって気持ちでいっぱいです。だってSATANだったらレナちゃん絶対買ってない。


・リヴァDの魅力②  クールビューティー(物理的な意味を含む)な久遠の氷壁
主人公です。プレイヤーにとっては、このゲームの鬼門と言ってもいいかもしれません。
主人公アイカは魔界の四天王であり人間ではありません。恋愛が価値観に存在しない(+魔王への忠誠が絶対)だけではなく、人間界に対する知識=常識がありません。そういうことは現在進行形でお勉強中なので。
家庭科の調理実習で玉ねぎの皮を剝かずにそのまま食べようとしたり、音楽のテストでシューベルトの出身を「魔界」と回答するようなぶっ飛び具合です。(作中では他にも珍回答あり)
魔界では優秀で職務に対し非常に生真面目な性格をしていますが、力こそ正義の魔界の四天王(知性が余り重要視されてない)なので、敬語キャラであれども強気な物言いや言葉遣いの悪さは、他の乙女系の主人公と比較するとどうしても目立ちます。口癖も「黙れ」なので……。
勿論、ぬいぐるみが好きだったり恋愛面では照れたりと女の子らしい一面は沢山あるのですが肌に合わないなぁという方も中にはいらっしゃると思います。
恋愛面に関しては、圧倒的に格好良さが目立ちます。
特にリヴァDの攻略キャラクターは、アイカへの恋愛感情を公にしていいのか踏み出していいのかと臆病になっているパターンが多いので、「決してお傍を離れません」「嫌いになるはずありません」「魔王様のしたいようにしてください」というような魔族らしい絶対の言葉を言えるところが彼女の最大の魅力です。
魔界の四天王という超特殊な設定のキャラクターですが、だからこその台詞や行動。戦闘力が有るからこそ戦える。そういう女の子なんですよね。
圧倒的にアイカちゃんも物語の歯車の一部なので、そこら辺に地雷が無い方は楽しめると思います。


・リヴァDの魅力③  魔王は1人しかいない!
これはかなり大事なポイントだと思います。当初はルートに入ったキャラが魔王になると思われていたので……。(ルチア聞く前のクリミナーレみたいな感じですね)
実際問題、魔王は1人しかいないので他3人とは別の関係性から恋愛をすることになります。
でも誰をプレイしても良い話なんですよーーーー!!!

 


では、場も温まってきたところで攻略キャラ解説(という名の推し語り)をやってまいりましょう!

 

・ユキネ

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主人公アイカが見出した、主人公限定のナンパ系魔王候補です。
住所不定な自由人で、何もかもが謎に包まれている。本人も自分のことがよく分かっていないようです。つまり自身の記憶がない。
ユキネのテーマはDearlyなんですが、アイカのことを一途に愛してアイカの為に最善を尽くそうとする姿勢に泣いてしまいます。ユキネは終始アイカのことが好きなんですが、自分が何物だったのか思い出した時にアイカと一緒に居てはいけない存在だったことに気が付くんですよね。それまでは何となく危険を感じていても、好きという気持ちを優先してイチャイチャしていたのが完全にそれが出来なくなってしまう。
イカちゃんの「夢は夢でしかない。私は必ず現実で本当のあなたに会いにいきます(意訳)」は後から聞くと本当にうわーんって感じでした。ふたりにとってお互いが勇気をくれる存在で、最高のパートナーなんですよね。
彼のルートだけエンディング前に挿入歌が流れるんですよね。つまりそこがふたりの愛の結末なんですよ。ま~た心中カプが増えてしまったよ……。
だからこそ、エピローグが巡り会ったところで終わるというのがよかったです。
P.S. クロダルートのユキネも最高なので見て。


・イロハ

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四天王アカツキが見出した、完璧超人なツンデレ魔王候補です。
スタッフブログ最終回にて、防御力低めの服でデレ顔を晒した貧乏くじキャラでもあります。
精神と命の余裕を失うとデレをMAXで発動してとんでもない睦言を聞かせてくれます。
普通にデレても破壊力は高い。犬と甘い物と昼寝が好き。
イロハは性格が非常にひねくれているのですが、アイカは途中で彼が実はとても優しい人だという事に気が付いてしまうんですよね。(イロハは価値観や経験から優しさを容易に出力することを避けているので)。
最初に攻略したのですが、覚醒後の衣装見て「は?誰??(ガチトーン)」となりましし、何も分からないままバッドエンドに直行してぐっさり殺されました(しかも事情説明の前だったので犯人がイロハということにも納得していなかった)。ちゃんちゃん。
イロハは口が悪いのですが、彼が殺戮モードな時は声が酷く冷たくて、ちゃんとこれは(本当の)イロハじゃないと分かるんですよね。声優さんの演技って凄いなと思えるシーンでしたね。
彼らの恋は「お前の顔が見たい」で始まり「他の誰でもない、あなたに私を見てほしかった」で通じ合って、恋人になった後も何気ない表情に心底愛おしさを感じる関係が素晴らしすぎるんですよね。
ただしアカツキ、お前は超反省しろ。


リョウガ

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四天王スイウ(CV:立花慎之介)が見出した、何故か動物や女の子に嫌われてしまう体質をもっている魔王候補。
本命(色々な意味で)です。バッドエンドがどれもあらゆる面でヤバいんですが、好きな人はめちゃくちゃ好きだと思います。
バドエンの主人公達の記憶の話ですが、虚無の魔法なら取り込んだ際に記憶に影響を及ぼすこともあるのかなぁと思っています。ヒナツに魔法が発動しなかった理由は不明ですが、少なくともイロハは記憶を持っていないようでしたし。
彼はCV:前野智昭~~!!って感じのキャラになっているので是非、是非聴いていただいてね……。
恋愛テーマがDependの時点でははん、ヤンデレかと軽率に構えていたことを反省しています。リョウガはまさにDepend(依存する愛)って感じでしたよね。
ずっと女の子に嫌われていたから心が空っぽ諦めていて、それ故に初めて好きにならせてくれた(自分を嫌わない)アイカに執着してしまう。
イカだけは例え嫌われても離たくない、全てが欲しい→魔王になればそれが出来る
そういう理論を展開して迫ってきます。 
しかしまあ「俺の子を孕め」は本当にビビりました。これがR15の力か……。
一方のアイカリョウガの二面性に翻弄されるのですが、ちゃんと『リョウガ』という個人を忘れずに見てくれていた(正確には思い出したん)ですよね。
どちらもリョウガだし、全て合わせて彼なんだという事に気が付いたときは本当にじーんときました。



・ヒナツ

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四天王シンクが見出した、天然タラシ魔王候補です。
引きこもりキャラだと思って完全に油断してたらこの様ですよ。
個人的にヒナツには無限の可能性があると思ってます。(というか魔王候補の内実際に魔王になるのは1人ですが、3人とも世界が少しだけ違っていたら魔王になれたのでは?という気がしてならない)
ヒナツの台詞で印象的なのは「死ぬ覚悟ならとっくに出来てた。出来てなかったのは生きる覚悟」で、有難うDesireという気持ちでした。
そんなヒナツをみてスイウがやはり(魔王候補に選ばられるだけあって)ただ者ではなかったと評価を改めるシーンも好きだったりします。
ヒナツは凄く勇気があるなぁと思うのですが、戦い方が知恵を絞ったものだったのもポイント高いです。
とは言えば一番好きなのはエピローグのイロハとリョウガの件です(結局それか)(だってあの2人はリヴァイシア最強)。
このルートで明かされたアイカが渡された指輪の話なんですが、だからイロハルートの最後でアイカは死ななかったんじゃないのかと思いました。かなり致命傷だったので。
ヒナツはDesireを持っているだけあって、本来は活動的で精力的な人間だったのではないかと思います。今後の成長が非常に楽しみでニヤニヤしています。



・クロダ  ※若干のネタバレを含みます

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隠し攻略キャラで大家のクロファーさん(ヒナツ命名)です!!
耳が良い人は一瞬で正体が分かる存在となっております。
地味にダメ男なんですよね、彼。というか何で君たち直ぐ仕事サボろうとすんのさ!イロハを見習ってくれ!!
クロダはアイカに対して、相反する罪悪感と愛しさを抱えていて雁字搦めになっていたようです。
そして『魔王が命じる』事件な。あれ、魔王じゃなくても使えてしまうので皆にバレたらヤバいよね。
クロダの言い分として、「私はその言葉を使ったことは一度もない」が有り、その後「【魔王が命じる】私の物になれ」を何度我慢した事か……」というものがあるのですが、これってコハクがアイカに言った台詞と同じなんですよね。
それを言ったコハクと言わなかったクロダの対比が最高でした。
コハクの話を始めると鬱of鬱で永遠に終わらないのでしません。しんどい。
ルートは最後だけ選択肢1つなのに選ばせるシステムなの大好きです。クロダがアイカに思いをぶつけるシーンがすごくえっちでした……。

 

 

と、言いたいことはまだ有りますがこのくらいにしておきます。
オトメイトと言えばアイキャッチなんですが、本作は好感度が上昇したときに選定の書の魔石部分が光る仕様でかなり好みでしたね。
あと細かい部分ですが、好感度確認画面でその時の好感度に応じたセリフが出るのですが、キャラクターごとに違って最高でした。
特にイロハルートの「お前の力を貸してやる時が来たのだ!」→「愛の力はどんなものよりも強いのだ!」はさ、ふとした瞬間に見ると泣いてしまうそうになります。
ミケの温かくて強い言葉はシリアスのど真ん中でも背を押してくれました。


ネタバレをなるべく避けた結果、レナちゃん何が言いたいの?状態になってしまいましたが非常に楽しく、シリアスなゲームとなっておりますので興味があれば何卒よろしくお願いします。
話はしっかりしていますが、ルートは5時間くらいあれば余裕で終わるような長さですので気軽にプレイできるのも魅力ですので是非是非!

蓮根レナのとある一日(未完)

6時半に掛けたスマホのアラームで目覚めた。
私は寝起きが良いので、音量が控えめアラームでも1コール目で起きれる。
ただし眠気はあるので基本的に起きなければならない時間の20分ぐらい前に掛ける。
そうしてスヌーズでうとうと状態で惰眠をむさぼるのだ。普段は。
今日は違う。
本当は8時半くらいに起きたいところを、支度(主に入浴)の為に7時(本格的に)起きるはめになった。昨日の昼間に風呂を済ませなかったからだ。冬場は夜に入浴するのが大変におっくうだ。
起床直後に入浴するのは身体によくないので、それで6時半にアラームを掛けたのだ。
お風呂に入るといつも憂鬱な気分になる。
風呂の中で考え事をしてしまうからだ。シャワー派なので浴槽にお湯すら張っていないが髪、顔、身体を洗っている間脳味噌は大変暇だ。
気付くと考えている。何もしていない時も常に思考を止めることが出来ず、寝る前や何もしていない時は大抵過去の自分の失敗と他人の嫌な部分(そして総主)について考えていてボーッとするということが出来ない。
総主というか総統離れして驚いたのは、彼のことを妄想する時間が減るのに反比例して憂鬱になる時間が増えていったことだ。総統に精神が救われていたことをこの時初めて知った。
数年前までは、風呂場ではずっと歌っていたのでこんな状態にはならなかった。どうして私は歌えなくなってしまったのだろう。

入浴を済ませると、すっかりご飯が炊きあがっていた。
お風呂でゆっくりしすぎたらしい。
ここにきて今日はお弁当という物が必要だと気が付いた。しかし、時間も材料も無かったのでとりあえず思考を放棄して朝餉を作った。
目玉焼きと(インスタント)味噌汁、おにぎり、サラダである。目玉焼きは普段は胡椒のみなのに、今日は醤油をかけてしまったあたり……疲れているらしい(心が)。
好きで更に思い入れもあるメニューなのだが、和洋のバランスがめちゃくちゃだ。
今日の朝食も不味かった。
どうやら味噌汁に正月親戚に頂いた味付きこんにゃくを入れたのが失敗だったらしい。
煮汁の甘さが味噌汁のスープの部分と相性が悪かったらしく食べていてウッとなった。
食事が美味しくないと、というか料理が美味しくできないと憂鬱な気分になる。
料理を上手に作ることができなかった自分に辟易してしまうからだ。単純に不味いと気分が萎えるという原因もありそうだが。

食事が終わったので身支度をしなければならない。
今日は病院に行く予定があるので患部を用意に晒せる服装にする必要があった。
入浴してしまったのでドライヤーという難関が待っていた。
鞄の中身を当日に準備する人間なのでギリギリの時刻になってしまったが、気合でおにぎりを1つだけ握って家を出ることが出来た。

人に1から10まで指示を出すというのは本当に疲れることだ。
自分の作業の進みが遅くなるし、指示しないと相手も進まない。挙句の果てに任せて責任を押し付けるという事も出来ない。
しかも、指示を出したり相手の要求を聞くごとに相手が気分を害していないか気を使わなければならない。
外国人の方とペアワークをしているのだけれど、相手の作った日本語をナチュラルな日本語に(原文と意味をある程度保ったまま)直すという作業は思っていた以上に大変でまず不自然な文章のニュアンスを聞き出さなくてはならない。
その上で私の語彙の中で最適な表現を選び出すのだ。
これは私が担当している仕事ではないので、手伝ったら自分の仕事が遅れて家で仕事を持って帰る羽目になった。
あつ森の時間がどんどん減っていく。

病院では「この注射(2回目)が痛くないなんて貴女は痛み結構痛みに強いのね」と言われたのですが、痛みを我慢しているだけであって決して痛くないわけではない。
私は治療方法について意思を下手に主張していたつもりだったのだが、複数人にレナさんがどうしてもってって姿勢なので……と会話をされてしまって凄くショックだった。
私には専門的なことがよく分からないので、普段問題に直面した時と同じように考えて判断し控えめに行動しただけなのだが専門家からはそう見えなかったらしい。

ネガティブな話しかしていないので今日あった嬉しかったことも書いておく。
私のみかん好きを知っている人間からみかんを貰った。
既に4つも食べてしまった。
みかんは親戚の家の家庭菜園で育っていて子供の頃から食べ放題だった。私にしては珍しく品質に関わらず食べられる食品である。
買い物をしながら、しばらく家を空けるので何も考えず食品を買い込んではいけないことに思い当たった。
なんというか。ゆっくりしたいのに凄く忙しくて考えることが多くて全然休めていない。

生活図鑑の読書をさぼってあつ森で地面をぺたぺた塗りながら、Mリーグまでの時間をつぶした。
その間に控えめに仕事をしろというような報告メールが来ていたので並行して作業をし(ようとしてい)る。
実は今凄く仕事をしたくないので明日の期限までに自分が仕事を終えられるのか非常に不安だ。
悲しい。やりませんと言いたい。

無数の小さなユートピア

「モノ」「サービス」が人間にとって望まれた繁栄をもたらすか、それとも悪影響をもたらすかは使い手次第だとよく言うが、本当にその通りだと思う。
例えば、万能包丁は様々な食材を簡単に切ることできるが人を殺すこともできるわけだ。包丁をどう使うかは使い手の倫理や価値観に委ねられている。

 

今日、記事で取り上げたいのは「あつまれ どうぶつの森」というサービスについてだ。
結論からいうと私はこのゲーム(未プレイ)が無理だ。
「あつまれ どうぶつの森(以下あつ森)」というゲーム自体は大変に素晴らしくて疲れた人間の心を癒す娯楽に他ならないし、作品の内容を調べたり実際のプレイを見せてもらったりして私もゲーム自体を高評価している。
それなのに無理だと感じてしまう理由は、それを楽しむプレイヤーを見ていて醜悪さに吐き気を催してしまったからだ。


彼らを見て、私はこのゲームをなんだかやりたくないなって思ってしまった。
それまではあつ森を買って知り合いと通信することを夢見ていたし、今だって(彼らと相容れる範囲で)カスタムスローライフを楽しんでみたいなという純粋な欲求はあるのだ。

あつ森は本当に島のすべてを自分好みにカスタムできる。
川を造ったり端を建てたり、好きな場所に家を建てられる。家具は形は決まっていれど種類は豊富で色変更もできるし、洋服に至っては浴衣さえ作れる。
まさにDIYだ。


それらに交じって私の目に留まってしまったのが住人の厳選だ。
元々「どうぶつの森」シリーズにはこのシステムが搭載されていて、たとえば引っ越し違っている好きなキャラを引き留めたりすることができた。
想えばこの頃から私はこの作品に不快感を抱いていたのだと思う。引っ越したいという住人の意思を無視しているからだ。
身もふたもない言い方だが、これは軟禁だと思う。
好きな住民だけを置き島でスカウトするというという今回の仕様は、要するに自分が好きな相手だけを島に呼ぶことができる。

しかしそれは、気に入らない相手は排除するということに他ならない。しかも調べてみたら気に入らない奴が出てきたら電源を切るどころか、最初の住民は固定という状況に対して(緩いとはいえ)文句が出ている始末ではないか。
私はこれらのプレイを見て戦慄した。
自分好みにカスタムするということは、自分の気に入らない物が一切存在しないということ。即ちイエスだけの綺麗な世界を作成すること。
現実世界では絶対に不可能なことを、あつ森という仮想現実は可能にした。
この状況について、技術の発展については喜ぶべきだと私は思っている。
糾弾すべき点は、これを住人という生物に対して我々が嬉々として行っていること。住人は色々な動物型をしていて喋り方も違って、人間に例えるなら(例えなくても)人種や個性に他ならない。
しかも、これらを行っているプレイヤー達が悪意など微塵もなく楽しみ自らのしていることの恐ろしさを自覚していない。

 

この作品が売れるということは人々は自分好みの世界を作りたいということだ。
即ち、心の本質では嫌なものを排除したい(差別をしたい)ということなのだろうと私は思ってしまった。


既に述べたが、私自身にはあつ森ライフを楽しみたいという欲望がある。知り合いと通信をして遊びたいし、レシピを交換したいのだ。
だから、私がどのようにこのゲームにケジメをつけプレイしていくかということを考えなければならない。