スクランブルエッグ

私による私の為の生存記録

本当に恐いのは、優しい人。本当に怖い人は、優しい──

平成最期に聴いたCDが凄く良かったので感想を書こうとしたら令和に突入した元日です。
という訳で人生初の長文シチュCDブロク書きます!!
作品はこちら

 

 

 

 

ダークファンタジーと売っているシリーズですが、最終巻はただのハピエンと聴いて癒しを求めて購入した次第です。

 

【あらすじ】 

幼い頃に皇帝として擁立されたラフシャーンは、孤独だった。
そんな中、城の古い書庫で悪魔ダンタリオンを召喚、魂の取引をしてしまう。
悪魔だけを友として成長した彼だったが、裏切った正妃を、国外に追放。

その後も後宮に美姫を送られる度に、朝になったら放逐することを繰り返していた。

困った大臣たちは、容姿は平凡ながらも聡明さが評判になっていた貴女を、後宮に送り込むことに決める――。       

                          (Amazonより引用)

作品の内容としては千夜一夜物語に近くて、皇帝に毎晩御伽噺を聞かせるのですが最終的に夜伽をします。(雑)

 

 

【ちょこっと背景知識】

・悪魔ダンタリオンについて
階級:序列71番目 大公爵
容姿:老若男女の表情を持ち手には1冊の書物を持つ
能力:①あらゆる学問・芸術に関する知識を持ちそれを教示してくれる
   ②読心・思考操作
   ③無制限に幻像を投影できる
   ④愛を成熟させる

・ラフシャーン
ペルシャ語で閃光という意を持つ男性名。
最初アラビア語で調べて全然ヒットしなくてキレました。当たり前です。

 

 

感想はダンタリオンちゃん(出オチ)とラフシャーンについての2つに分けようと思うのですが、その前に総評というかどちらともつかない感想を纏めておきます。

・『私』の閨
ラフシャーンの一人称は余、ダンタリオンちゃんの一人称は俺。
だけど冒頭で1回だけ統一されていない台詞があって、どうしてかなって考えたんですけど多分このときダンタリオンちゃんも居たんでしょうね。
それで二人のやりとりを(と、ラフシャーンの心)見て手を出さないことに決めたんだと思うんです。
ありがとうシナリオ。

・優しく聡明な可愛い人(ヒロイン)
褐色肌の平凡顔の平民。ただし超健康的。
※寵姫になって実家が豊かになりました。金は正義。
結構露出高い疑惑があります。
悪魔についてはなんか憑りついてるのでは?って見解をするんですけど、憑りついてるという表現が良いよね。
そ、そんなこと本に書いてないもん!(かわいい)
なんかしらんけど葡萄酒一気飲みをしたり(2杯)。
もう少し淑やかにってラフシャーンに窘められたましたけど、まあ妃になるにあたって勉強するので問題はないと思ったりしました。
ちゃんと大臣の許可は取りましたの件、身体捧げたことを盾にしてそうで好きです。

・美姫達の挑発的な服装と官能的な練香
女性の方が上に乗って動くって話だけどそれは絶対生娘じゃないと思います。
なんだよ、後宮には普通生娘送るって。笑いました。お前の性ですよ。

・リップ音とか
一人二役なんですがキャラによって使い分けていてびっくりしました。
しかも一応同じ人物なので寄せている部分もあるんですよね。
そんなことができるんですか……。

以上終わり。既に1000文字越えててPCが重い。

  

 

【皇帝について】

・「余とてお前など抱きたくない」
あのさー、抱いてるのはダンタリオンちゃんだからね。そこ間違えないで下さい。
と、こんなことが書きたかったんじゃなくて終盤この台詞と対になる
「お前を抱きたい」
っていうのがあるんですよ。罵倒じゃなくてただの伏線でした。

・極東の島国の荒振神
災い(怨念など)を、神とするって日本の以外のどこにもない考え方なんですよね。
悪い物を神様として奉って仲良くしようとという思想と、悪魔の友達ダンタリオンに共通性を感じたんだと思いました。
この話を気に入ることで、彼のダンタリオンに対する想いが超婉曲に表現されていて面白かったです

・大臣が煩い
童貞を拗らせた非童貞皇帝ラフシャーンくん。
というか自分からキスしたのかなり頑張ったよね。偉い。

  ・自信がない
余の妃など嫌だろう?(かわいい)
そしてダンタリオンちゃんは助ける気が皆無なので寝てます。ラフシャーンの苦しみは完無視。

 

 

【悪魔ダンタリオンについて】

・キャラが性癖(超重要)
大公爵故に貴族感ある癖に一人称が俺、そして二人称は君。
喋り方が好き。倒置法は最高。
笑い方がドツボ。
「男って生き物は閨では人が変わる」……いやこの説明、毎晩してたんですか?かわいい。

・ラフシャーンはバカな子
でもそんなラフシャーンが好きだし心配なんだよね。
感覚をある程度共有しているからなのか、お前の代わりに俺が仕方なーく彼女を抱いているんだからな(まあ俺も抱きたかったけど)ちゃんと見てろよみたいな思考が垣間見えます。

・美女、品切れる
これはダンタリオンちゃんの台詞ですね?笑い方がダンタリオンちゃんでしたし、心なしか声も違う。はー、好き。
「今宵は随分大人しいな。この女子が気に喰わなかったのか?」 ってそんな訳がありませんでした。(後から分かります)

・この子が来てからやってなかったし……
常時欲求不満大公爵悪魔発言。(1ヶ月も経過していません)
ダンタリオンちゃんの性欲については後述します。

・最高に楽しそうに破瓜をしてくる
「いただきまーす」 ※マジ悪魔

・聡明な君が乱れるのは格別
この悪魔確実に処女厨なんですけど、ねえ。
悪魔の生贄としてはやっぱりそういう女性の方が好まれますし、調教していくスタイル。
あと表現が貴族っていうか品がある。同じ表現を人間がすると違和感ありそうですが、人外ってだけで耳馴染みが良くなってしまうのだから文学って面白いですよね。

・「ん? あぁ、えーと……そう、愛!愛の力ってやつ?」
か わ い い
アホなのか?かわいいんですけど(2回目)
……というか忘れてたってどういう意味なんでしょうか。何となく破瓜で痛みを堪えている女性が好きそうな確信はある。 
そしてさらりと告白代理魔。

 ・「またね」
こいつ再び出てくる気マンマンじゃないですか。めちゃくちゃ気に入ってますよー皇帝。
身体を繋げたまんまラフシャーンに戻るあたり性質の悪さでてますよね。

・悪魔らしかぬ陽気なヤツ
それはない。
がっつり悪魔でしょ。
皆気付いていないというか、そこを気付かせないところが、それこそが悪魔。
ラフシャーンはダンタリオンが身体を使いたがると言いながら女性達を傷つけたのは余(の意思)だと発言するんです。
矛盾してますよね。
ここで思い出してください。悪魔ダンリオンの能力の1つに読心・心理操作というものがある。
つまりラフシャーンの心は常時、ヒロインの心も外に出ている時に限って筒抜けなんです。
ダンタリオンだけを友として悩みも彼の力を借りていたラフシャーンは知らない内に思考を操作されいるし、達することに仄かな恐怖を抱いた(と思われる)ヒロインには「怖くないからね」とあやしてくる。
これが悪魔の性質じゃなきゃなんなんですかよ……。

・余は友達が少ない
そもそも孤独な子供に友達になろうって話しかけるところが悪魔ダンタリオン故でしょう。

・これ全部、悪魔ダンタリオンの性じゃん
毎晩(不貞を働いた)妃を抱いていた話なんですが、ダンタリオンという悪魔は老若男女に化けるんだから性格が一致していないんじゃなくて性格を一致させてやる気がないんですよ。
その癖、悪気は全くない。良い奴なんだけど気質は悪魔。それがダンタリオンちゃんです。

 

 

ということなんですけど、このオチをシナリオでは一切言及していないですし皇帝の妃になるハピエンで終わる。
何も考えずに聴けば凄く癒されるし頭を回すとこんなにも奥が深くて少し仄暗い。
初めてこういうジャンルに手を出したんですが良作に巡り合えました。
さすが私。
令和も自意識過剰生きていくので宜しくお願いします!