スクランブルエッグ

私による私の為の生存記録

君に、幸せが訪れますように

時間とは本当に偉大なるエネルギーだと思う。そしていつだって私には残酷だ。
しかし記録は変化しないんだって改めて他人のブログ読んで感嘆した。
だからこれ以上歪んでしまう前に一度彼について書いておく。
以降の文章が断定形で書かれていても後ろには「思う」「感じる」が全て付くのだけれど、これは私のアーカイブだからそれでいいのだ。
アーカイブだからこれを書いた後にこの内容を忘れてもいいし上に白いペンキをぶちまけて別の線を描いてもいい。


・彼は何物だったのか
彼はムーンキャンサーだ。
2019年の世界を客観的に見た場合、一見は条件付きで人々を救ったり牙をむいたりするフォーリナーに見えるがその実はムーンキャンサーで世界から弾かれた癌なのだ。
大事な点だが彼はフォーリナーのふりをしているわけではない。彼は最初から一貫してムーンキャンサーだった。
歴史の流れを一本の上から下へのベクトルとして見た場合、世界に弾かれ続け絶対にその中に入れない存在。それが彼だ。
彼は素直で正直な人間なのだと思う。主人公ですら嘘を付けば入れた世界に嘘が付けないから世界に弾かれ続けているのだから。
彼が歴史に入れない理由は彼が不連続な関数であるから。(主人公は移動する点かな。)
阪口健吾の価値観は2000年付近で止まっている。そもそも彼があのような人間として主人公の前に現れたの理由は、世界の変化に心が付いていけなかったからだ。主人公の心が止まっている理由は社会との関わりを絶ち変化そのものに立ち会っていないから。
しかし止まった価値観はこの世界では許されず理解共感を得られないことだった。だから切り棄てられていたのだ。


・彼はどんな人なのか
根っからの人たらし。女たらしではない。あの世界で嫌われているというかいい子ぶっているように思われ嫌煙されまくるのは世情です。完全なる善属性。自信をもって言えるが良いやつなんだ。
本人曰く友人はいるらしいのでそれなりに男性とも打ち解けられてると思われる。お前の友達はAI以外超絶胡散臭いけどな。
というか彼は「人」と「人間」という表現を本編で使い分けていたので、彼は最初から人間のことを同じ人だとは思ってなさそう?
ともかく彼は仕方なく不老不死にならざるを得ない自分と、安易にそれを求める「人間」を完全に別に扱っている。
これは単純に他の「人間」と同じように評価されるのが嫌なんだと思う。
必殺技は「お願い」でこの台詞で何人もの女を籠絡させている感。顔の使い方が分かっているとしか思えない。
かくいう主人公もこれには弱くずるずる引きずられてしまうのですが、最後の「お願い」だけは振り払って彼をフります。


ええと、
とりあえず五情を考えてみた。
「喜」……素直に笑っているところを読み聴きした記憶が無い。(公式SS「嬉し『そう』」)主人公が笑っても喜びより先に驚きが来るのでは?
「怒」……第一に、自他ともに認める怒らない人だ。だからオチを知ったときにもこの人怒るの?いやでも流石に……ってのが第1感想。改めてLINEを見返したら普通に怒っていた。どうかんがえても怒ると滅茶苦茶に怖いので今後もう絶対しません反省ユートピアは唯のアホ。ストレスは溜めこむ派なので休火山大噴火タイプ。
「哀」……有り余ってる。それは主に寂しさという感情で彼を苦しめ続けている。
「楽」……あるの?いやあるんだろうけどこれを感じるには時間がかかりそう。少なくとも今生きてて楽しくはないと思うし。
「怨」……有り余ってる。この感情を拗らせた結果他人が理解できなくなったという気さえする。超個人的に主人公にも(裏切られた)怨みがあると思ってるが本人は気付いてなさそうだ。何故か富士原巧己には抱いていない。嫉妬心も多分ない。


いや正の感情なさすぎかよこのガチ陰キャ

そもそも吸血鬼になるか否かの選択肢を例外的な(負の)吸血鬼である主人公に任せるなんて、吸血鬼が相当に嫌いだとしか思えないんだが。
しかもその理由は気に入ったからな訳だし。
更に、彼は愛を信じていない。(重要)
理由としては明確な判断基準無いからだと思う。
彼は論理的な性格で何をするにも納得できる論理を求めるタイプだ。分からないのが当たり前なんておかしいとまで言ってる。
信頼できる相手からの言葉でさえ、それを信用するためにはその人の論理(これは弱かったり感情論が混じった物でも良い)必要とする。ということは主人公の事は吸血鬼の中で一番信用してるのか?え、急に萌えた……。
愛の話をしよう。
愛って当然だけど明確な判断基準がない曖昧な物で、恋愛における愛は親が子供に注ぐようなものとは違う。
彼は恋愛感情は残念なくらい信じてないのだが、両親が自分を愛してくれていたというのはしっかり認識している気がする。
理由としては両親を心から信用しているからだと思う。つまりその他大勢の元カノ()のことは信用できていないのではないか。
だったら交際相手に好きだとか言うなよな。いや本当に。
彼がもう全然人を信用できない(勇気がない)男だという事を書くとまた長くなるので割愛。
まあ信用できない結果どうなったかというと……
手 が 早 い
という不名誉すぎる、事実に対する評価を私とフォロワーさんからつけられてしまったわけだ。まあ年頃なのもあるのかもしれないけど。とうでもいいけどタクミさんってやんちゃしてた時代ありそうだよね。
要するに既成事実を作って、視えない関係性を可視化しようとした。
彼は事実として滅茶苦茶モテるし手が早いのだけれど、最初は結婚するまでそういうことは……みたいなキャラではって思って(全巻特典で玉砕し)たんだよな。懐かしい。デートエスコートが上手いのは天賦の才かなって。
自分を例えにするのは夢女子っぽくて(彼に関しては)マジで鬱なのですが理解しやすくなるので……書き、ます。マジのマジで嫌なんだけど私と彼は少し似ているところがある。
私も人の言葉を素直に受け取れない性格なので、本当に申し訳がないのだがフォロワーさん達の好きという評価をいや私は屑やで騙されてるぞ!っていつも思ってしまう。ごめんなさいみんな大好きなので許してください。
のだがそんな私でも信用できるものがある。それはフォロワーさんのお洒落だったり行動といった言葉以外の要素である。
例えば可愛らしいアクセサリーやネイルを身に付けられているフォロワーさんにお会いすると「あ、私の為にわざわざ付けてきてくださったんだな。少なくとも会う為に着飾る価値があるくらいには好かれているんだな。」と思える。なんて回りくどい女なんだ。
ともかく彼が手が早いのはこれと同じで、彼がその行動で得るのは、身体を許してくれるほどには想ってくれている恋人という事実なのだ。だからって主人公の身体を奪おうとしたよく分からん全巻特典を許してはいませんからね。プンプン。

他に特筆すべきことと言えば、都合が悪くなると話を反らす癖があることだ。
ちなみに主人公は黙る癖がある。これはケンゴ編が一部始終そのように作られている。制作陣を評価すべきところだ。
それから意外と冗談を言ったりちょっぴり女の子を揶揄ったりする。3回くらい。
多分これが対女性時の彼の通常運転だと思うので全くそれをしてこない全巻特典は本当にヤバいってこと。
あとは何気に完璧イケメン。

 

・彼と恋
最初に、そもそも吸血生存は総統である阪口健吾と主人公の恋愛物語なのだ。
どうあがいても心中になる恋愛だがそれは彼らにとって最大のハッピーエンドだ。

彼は感染しても人間なので頑張り次第で恋が出来る(はず)。
というか実際オルタ編では血迷ったらしく、主人公に恋というか素直に好きでいてくれた。と信じたい。
しかしまあ主人公に告白した癖に(誰にも会いたくないからという理由で)無断で死のうとするあたりお前絶対彼女の事好きじゃなかっただろって感じだ。
そもそも当初、彼の中で主人公は恋愛対象ではない。同士だ。
掘り下げていこう。
そもそも彼の中では主人公ってどうあがいても感染者の一人だ。何よりもまず最初に、感染者というグループに選り分けられている。だから彼女が人血を拒絶しようが鶏の血を好もうが評価が変化しない。彼の中で感染者=血を飲む者でどちらも血液に違いなく感染者という位置づけのままだからだ。
その上で彼女個人の評価と位置づけが存在する。
こちらは分かりやすく自分と同じ立場(世界から弾かれて独りぼっち)に置かれている人だと哀れんでいる。
感染した後の阪口健吾の、未来を見据えた発言に度々見られる言葉は「ふたりで」「お互い」だ。つまり自分1人ではなく自分と主人公を一単位として考えていて、自分に主人公という恋人ができたことで自分だけじゃなく、彼女も独りじゃなくなったと思っている。しかもそれだけに飽き足らずどうも共にいることが正しいのだという絶対的な姿勢がある。だから「ひとりよりふたりの方がずっと良いよ」とか言い出すんだよな。よってバリバリふたりになることを迷っている主人公と噛み合わない。いつものパターン。


彼が欲しいのは主人公の心だということにも注目したい。
タクミ編の内容を思い出してほしい。彼はあの映像を見てその上で主人公をあの場に留めているのだ。いやほんとよく発狂しなかったな。
これは彼女の笑顔(というか彼女の心情)を優先したために起こった現象だと考えられる。あとタクミさんが命に限りのある人間だからという要素も大きい。
倫理が欠落した話をするが、二次元ではこのようなシチュエーションで男が女を監禁する際にレイプするというような展開がよくあるだろう。
しかし彼はそれを絶対にしない。身体を手に入れても意味がないからだ。これには彼の性格と真面目さも大きく影響している。


というか恋ってなんだろうか。主人公はその答えを知っていそうなのでご教授してあげてくれ。
彼はあの性格なので恋人がどんな人なのか知りたい(それによって相手からの感情を判断するため)という想いは常に持っている人だと思う。
でも彼は頑な自分の情報を教えていない。それは彼が臆病だからというのもあれば相手を信用していなかったり、なにより交際するにあたり教える必要がないと思っているからだと思う。
繰り返しになるが親子愛との差異は信用の有無である。相手を信用し価値を認めれば彼は心を開きます。
だから自分の事を知ってほしいと素直に思えたならそれは、彼女に恋をしているのではなかろうか。

 


・彼女は彼に何を与えたのか
ずばり生きる目的と時間です。
そもそも彼にとって吸血鬼化は目的でなくて手段だった。それなら当時の彼の目的は何か、プロフィール通り生存だ。(ちょっと変な表現だけど彼の生きる目的は生きることって訳だ)
この目的は吸血鬼化を経て叶いお役御免になったものである。彼はここにきて生きる目的を失ったのだ。
生きる目的なんて普通考えないし残念ながら主人公以外の感染者も考えないと思う。
阪口健吾って男は繊細で些細なこともきちんと思考する人間だけど、人であった時生きる目的について多分そこまで考えていなかった。
それは彼が命に限りがある非感染者だったからだ。(私は、そもそも私達人間が「何故生きてるのか」をあまり深く考えないのは自分達がいつか死ぬと深層心理で強く認識しているからだと思う)
だから半永久的な命を持つ吸血鬼になって生きる目的を考える必要性が出てきたのだ。彼は感染すれば気の遠くなるような時間を生きる必要性があり、その為には目的がなければ壊れることを理解していたのだ。
だから彼はあの状況でも非感染者を差別しようとする気が微塵も起きないのだと思う。暇つぶしで人種差別する世界、マジで終末。
という訳で彼は半永久的に生きる目的を、同じく半永久的に生きる女とした。彼女は存在意義であり彼女がいるから彼は地に足を付けて(笑)生きていけるのだ。
だから「君がいないとダメだ」なのだ。彼女の笑顔って第2位目的だと思う。
どうでもいいけど主人公の牙は鶏で鍛えられてるからめちゃくちゃ痛そうだよな。痛いって言ってたもんな。


時間とは何か。それは阪口健吾が主人公へ抱く思いを「愛」へと変換するものである。
そもそも彼は愛を否定する存在である。
今の彼の在り方は愛が存在しないことを証明している。
まず阪口健吾は彼女を辞書上の意味では愛していない。
しかし、彼は頭が良くて合理的な人間で嘘は嫌いだから自分の中では彼女を愛していると本当に思っている。
私は彼が最初から彼女を愛してなかったと思っている。これは公式が出した情報にそのような記載が一切無かったという理由だけではない。
彼が主人公を愛していると主張するのはそのように論理を展開したからだ。
これを考えるために感情は全く意味をなさない。そもそも彼自身が感情をあまり信用していないところがある。
それじゃ彼が主人公に対して起こした行動を見ていく。

①9年間探し追い求め続け、その後数十年の間彼女を待つ
②総統として座し続けることで(主人公には破られた)約束を守り続けている

武勇伝ほんの一部なのに文字にするとヤバみが強調されるなこれ。気が狂ってはいるがヤんではない。
ところでこれらは何故ヤバいと感じるのか。簡単だ。コストがバカにならないから。
彼にこれが可能なのは、時の流れが完全に違うからなのだろう。
しかし我々クラスタ、主人公、人間にはこの感覚はない。だから我々はこれを理解できないヤバいものとして位置づけた。
それは途方もない執着心だという話を酒の席でしたことがあるが、その場で激同してその後常に賛同していながらも私はそれが何なのか実は分かっていない。
しかし確実になんらかの強い思いである。そしてこの思いは時間に比例して強くなるものだ。だって掛かる時間が増える程ヤバさが増すんだもん。会えない間に思いが募る。
そして②に関しては主人公の願いを叶えるためにしていることで彼の願いは以前として彼女の笑顔である。
もしこれが「愛」だと言うのならば私はそれを否定できない。寧ろ全ての行動を見て評価する時に、「愛」でなければなんという日本語で表現するのだろうか。
そして彼がこの方法で主人公を愛す限りそれは、愛情から成る愛……つまり恋愛(感情)というものが無いということを示し続けるのだろう。

ここまで言っておいてなんだが彼視点の主人公への愛のプロセスは上記とは違う。
単純に別れた女を人生から切り離せない感情である。おそらくそれを愛と言っても刺しつかないと判断して彼女を追い、今に至るのだろう。
私はこの時点は彼が彼女へ向ける感情は「愛」ではないと思っていた。しかし時間を掛けてこの感情は客観的に見た「愛」となってしまったのだ。だってそうでもなきゃ正気でこんな奇行には走れないのだから。
だからこそ、それは確かに愛なのだ。


・彼の罪
結論をいうと私は彼がしたことが悪だとは思わない。というか実際問題彼の行動は悪ではない。
しかし我々は彼を悪だと感じるし主人公も彼を悪だと信じている。
それは何故か。我々の価値観や感覚が主として生まれ育った世界の環境と常識で作り上げられるものだからだ。
ここで2009年の吸血生存おけるキャラと世界の基本的な姿勢を確認しておく。
世界……治安含む生活環境がシリーズ通して最悪の時代。平和はユートピアの内側にしかない。
主人公……2000年の常識を引きずっている人。2003年から社会とのかかわりを絶っており世間を知らない。吸血鬼だけどその思考回路は極めて2000年の人間的。(=我々リスナーとほぼ同じ価値観を持っている)余談だがヤクモオルタ編では普通に人血を飲んでいるような描写が見受けられるので、彼女が人血を飲めないのは精神的な問題というより吸血鬼に対する受け入れ方の問題といえるかもしれない。
阪口健吾……2000年から2009年を体験しそれを身をもって知る人間で社会感覚やそれに対する論理は2009年に準じてる。

私自身が現代の社会に対しても人間に対しても批判的で常識的感覚が大っ嫌いだから分かる。
2009年において彼の行動は日常茶飯事の不幸な出来事で片づけられどっちもどっちと社会的に評価される。どんな理由があろうが犯罪は駄目という時代はもう終わったのだ。
裁判所に訴えても有罪になるかは不明。というか良くて執行猶予なんじゃないのって気さえする。本人が刺したわけじゃないし。
しかし主人公と良識あるクラスタの社会感覚は違う訳だから彼が見間違えようもない黒として映ってしまうのだ。
ある定義では犯罪とは極めて概念的な物で、誰か行動に対する集合意識である。つまり何を犯罪とするかは属する社会が決める事なのだ。
これで解釈と考察を終わりにして私見を書く。
阪口健吾は状況だけ見た場合に普通にダメだが主人公もかなり自分勝手なので彼女自身は一概にお前が悪い!って言える立場にいない。とはいえ彼は社会的なことを全部分かった上でやってるのでかなり性質悪いけどな。まあそこ完無視してきた子供向けの某レンジャーより遥かにマシ。兎に角私の中ではグレーだよグレー、白にもならないし黒にもならない。


・HELP
それとは別に彼が認めた罪が存在する。(上記の罪については反省どころか悪いことをしたという認識自体が無さそうだ)
そもそも彼がユートピアに来た目的は吸血鬼になるためだけど、主人公と仲良くなった理由は実は感染するためじゃなかったりする。
何度も書いているが、彼は論理的な人間なのだが重要な選択程自分の論理展開だけじゃ行動に移せないという慎重というか本人曰く臆病な性格である。
そこで彼は論理を他人から補強しようと、否他人の論理を最終的な結論とすることにした。だってさんざん考えたけど本当は結局決められなかったから。
だから「間違ってない……よね?」と一緒に過ごして間もない主人公に問いかけてしまう。
つまりユートピアで吸血鬼になった後の人間から論理を手に入れ、責任転嫁の如く背中を押してもらい生きる(か死ぬかの)選択をしようとしてたのだ。
選択ついて利用しようとしたことは自覚あるし悪いと思っているらしい。まあ下心もなしにあんなナンパしてきたら只のチャラい男だもんな。
あの「お礼したいな……」って台詞は初聴で一番胡散臭かったし、どう考えてもこれで近づいてインタビューするつもりだったのだろうが、御礼したいって気持ちはあるらしいからやっかいだ。
だからクラブだったんだと思う。彼は、自分は得意でない癖に本当にクラブを楽しめる場所だと考えているっぽいよね。きっと今迄そういうタイプの女の子が多かったんだろうな。(遠い目)

彼曰く、「助けを求めていた」で「背中押してほしいだけ」なんですがこの2つの日本語はかなり重みの違う日本語だと思った。
そこで項目名のHelpという単語に変換してみた。日本だとHelpを助けるって第1位の意味として習って手伝うって意味をサブの意味として教わる気がするが、英単語って基本的に1つの単語には1つの意味概念しかない。(Likeとか動詞と形容詞で違う意味がある語は例外)頼んだぞそこに居る私。
という訳で日本語だと助けと手伝いは違う意味を持つ単語ですが英語だとどちらもHelpになる。その理由としてはHELPという単語が基本的に弱い単語だからだ。勿論状況によっては強い意味でも使えますが、英語においては助け≒手伝いという感覚がある。いや本当は無いけど。HelpはHelpでしかないよ。(でもこれを書かないと私以外に理解してもらないと思ったから書いた。まあそんな物好きはいないか。)
ともかく使用例を思い出してみてくれ。日本語だと「助け」と訳すべき文章でも「手伝い」に近いというかというか補助というニュアンスでHelpという動詞が選ばれている。(多分Helpの訳は助けじゃないしよくある、存在しないペーシなんだ。)
何が言いたいかというと、彼のいう助けってHelpだったんだと思う。
でも主人公は助けた。だから選択の責任が完全に彼女の方に飛んでいった。
そもそも彼が彼女の血を飲みたがった理由は、彼女が好きだからじゃない。信頼をおける相手、背中を押してもらうに値する相手だと考えたから。だから血を貰おう(譲渡に当たり相手の意志がいるため)とした。逆も然りだ、結局彼の血液を吸ったのは彼女の意思というゆるぎない事実がある。
あのまま踏ん張りもなく血を吸われていたら少し違っていたのではないか。まあ存在しない未来を考えても意味はないか。
彼は最高に狡い男だ。彼女が彼を吸血するシーンの話だが本能を理性で何とかとどめようとしている彼女を抱きしめて動けなくして好きだと囁いてくる。
分かっててやっているのだから性質が悪い。
※しかも医療知識が皆無なので気絶している主人公を揺らしまくるという暴挙つき。

今の内容を全てひっくり返すような様な事を書くが、彼が本当に言いたかった言葉は「助けて」だと思う。
でもそれは生きる死ぬとかを飛び越えて、この世界から排除されている自分をどこにもいけない自分を助けてほしかったのだ。
けれど阪口健吾という男は素直じゃないし根本的には責任感も強いから、口にしたらそれがHelpになったのではないのかな。
あの意地っ張りで頑固な彼が助けてとか(本人的に)みっともないことなんてする訳なかった。

 

 

・果たしてあなたは彼の真実にたどり着くことができるだろうか?
笑わせないでくれ。彼の真実に辿りつける人は作中の世界に存在しなかった。それがオチじゃないのか。
彼は絶対に幸せにはなれないし死んだら地獄に落ちる。彼女の願いを叶えたら自分の願いが叶わなくなるし、彼を理解し救える人間はこの世にいないからだ。
続けていけば嘘も仮初めも真実になる。彼は過程を歪ませて「今」という真実を作り上げる男だ。

 

 

 

 

P.S
総統閣下の後世に残したいセリフベスト3

「気長に待ってるから。」
「他に好きな人がいるなら身を引くよ。」
「僕って、怖い?……よかった。僕怖いとか言われたことないけど(以下略)」